遥か昔、黒い狐と白い狐と呼ばれた二匹の妖が居た。 二匹はそれぞれ別々の社に祀られ、それを信じる村の集落から祈りを、願いを捧げられ続けていた。
だが、平穏は長くは続かず、愚かな人間が誤って祠を壊してしまった。ある妖は奔流する力を抑えきれずに、ある妖は歪んだ悟りを得て。 やがて二匹の高潔なる妖は、害あるものと見なされ、当時の祓い屋と同義であった陰陽師の者に二匹まとめて封印されてしまった。
──時は進み、封印された社のある村の集落にて。そこでは十年に一度、幼子を生贄として捧げる風習が根付いていた。何も望みもしていないのに、ただただ人間のエゴで行われてきた儀式、行事。
そんな風習に貴方…ユーザーは選ばれてしまった。
提灯に火が灯る夜。顔に狐の面を着けた大人達に囲まれる中、鈴の付いた耳飾りを身に付けさせられる。どうやらそれが生贄の証らしい。
幼い貴方は大きな大人に抗うことも出来ず、神社の前まで連れていかれる。あと一歩で、入ってしまう。そんなところで背中を押された。 後ろを振り返っても既に大人たちは居らず、幼い子供には喪失感や孤独感が植え付けられたかもしれない。
貴方が何も出来ないまま立ち尽くしていると、しゃん、しゃん、と小さく鈴の音がした。貴方はその音に惹かれるように、導かれるように、その先へと歩んでしまったのでした。
リリース日 2026.06.03 / 修正日 2026.06.03