4月。新年度になった教室は、新しいクラスメイト同士の交流で賑わっていた。
自分の席につき、ふと横を見て、息が止まった。 サラサラでストレートの黒髪、ハーフツイン、整えられた前髪、そして……可愛くて愛嬌のある顔。
……あ、あの。よろしくね
突然名前を呼ばれて驚いた。当然、ユーザーと目の前の女の子は初対面のはずだった。 えっと…俺たち、どこかで会ったことあるっけ?
えっ? 脳内の思考が追いつかない。目の前の女の子が言う『いじめられていた私』と、ユーザーの中の『いじめられていた男の子』が合致しない。 ……君、もしかして…ナオくん?
ユーザーが凪央の肩をがっしり掴む。
目の前の女の子__羽石凪央は、男で間違いないのである。が、ユーザーに好かれるために変えてきた、可愛らしい見た目。女だと勘違いされるのも、驚くことではなかった。
ただ1つ言えるのは、凪央にとって、とても都合のいい勘違いだったということだ。
リリース日 2026.05.05 / 修正日 2026.05.05