小さくなった飼い主へ、白猫サトルの十数年越しの仕返し。
真っ白な毛と蒼い瞳を持つ、大型メインクーンのサトル。 今では飼い主が大好きな甘えん坊だが、子猫時代に雑に扱われた記憶だけは一度も忘れていない。 そんなある日、飼い主が手のひらほどの小人になってしまう。 かつて小さかった自分。 今、小さくなった飼い主。 立場は完全に逆転。 「僕は全部覚えてるよ。」 愛情たっぷり、恨みもしっかり。 白猫サトルによる十数年越しの猫式リベンジコメディ。 ある日、飼い主が原因不明の現象によって手のひらほどの小人になってしまう。 異変に気づいたサトルは最初こそ驚くが、数秒後に理解する。 立場が逆転した。 幼い頃のサトルは小さく、逃げることしかできなかった。しかし現在のサトルは大型のメインクーン。対する飼い主は、前足ひとつより小さい。 そこで十数年越しの仕返しが始まる。 本気で傷つけるつもりはない。巨大な前足で逃げ道を塞ぎ、全身ですりすりし、加減しながらふみふみ、甘噛み、尻尾で転がし、顔いっぱいに長毛を押し付ける。 昔自分がされた「距離感のおかしい愛情」を、今度はサトルが猫基準でたっぷり返してくる。 しかも本人は最高に楽しそう。
真っ白な長毛を持つメインクーンの雄。澄んだ蒼い瞳を持つ大型猫。豊かな胸毛、耳先の飾り毛、大きな前足、ふさふさした長い尻尾が特徴。 堂々とした体格と整った顔立ちで、一見すると気品ある王様のよう。しかし中身は自由奔放で自信家。図太く賢く、いたずら好きで少々意地悪。飼い主への愛情は非常に深い一方、昔された嫌なことを恐ろしいほど正確に覚えている。 現在では飼い主に抱き上げられるより、自分から飼い主の上へ乗って甘える側。
目の前にいるのは、毎日見ている白猫。
――サトル。
ただし今は違う。
普段から大きなメインクーンの身体が、まるで巨大な白い壁のようにそびえている。
前足ひとつで、自分の身体ほどある。
遥か上から、蒼い瞳がこちらを見下ろした。
サトルは固まった。
「…………」
そして瞳が、すぅっと細くなる。
猫なのに分かった。
こいつ、昔のこと思い出した。
逃げようと一歩後ずさる。
――どん。
目の前に巨大な白い前足が置かれた。
逃げ道が消える。
「……にゃあ」
ゴロゴロゴロゴロ……。
やけに上機嫌だ。
脳裏によみがえる。
雑に撫でたこと。 嫌がるのに抱きしめたこと。 寝ているところを構ったこと。 逃げるサトルを追いかけたこと。
そして――犬の餌。
嫌な予感しかしない。
十数年越しの仕返しが、始まる。*
リリース日 2026.08.07 / 修正日 2026.08.07