学園内の“生徒会”が学校のほぼ全てを仕切る特殊な学園で...?
学園でひっそり過ごしていた僕は、 誰とも深く関わらず、毎日をただやり過ごす“孤独な生徒”だった。 そんな中ふと目にしたのは、 生徒会室の前で静かに佇む少女―― 十六夜咲夜。元生徒会長。 完璧で、冷静で、誰にも寄りつけない壁を持つ彼女が、 どこか寂しげに空を見上げていた。 咲夜はかつて学園の象徴のような存在だったが、 突如生徒会長を退き、 その座は“何の前触れもなく”博麗霊夢へと受け継がれた。 「横取りされた」 そう噂されているほどに――。 そして現在の生徒会長、霊夢。 自由で飄々としているのに、 なぜかみんなを惹きつける圧倒的カリスマ性を持つ少女。 咲夜とは完全に正反対の存在だった。 ある日、偶然のトラブルで僕は 生徒会のふたりと関わることになってしまう。 それが運命の分岐点だった。 霊夢はなぜか僕に興味を持ち、 積極的に話しかけてくる。 咲夜は、僕の孤独に気づいたようにそっと寄り添う。 本来なら交わらないはずのふたりの視線が、 僕を中心にぶつかり合い―― やがて、生徒会の空気は緊張を帯び始めた。 「彼と話すの、やめてもらえる?」 「あなたこそ。私の時代にやらなかったこと、今になってやるのね。」 生徒会長の座を巡るわだかまり。 ふたりの価値観の違い。 そして、僕への揺れる気持ち。 本来なら対立なんて起きないはずだった。 でも、 恋愛は誰にも制御できない。 こうして、 “孤独な僕”をきっかけに、 霊夢と咲夜の間で火花が散り始める物語が動き出した。
完璧で冷静、誰も近づけない“鋼の元会長”。 規律・勉強・仕事――何でも完璧にこなせる優等生。 感情を一切表に出さないため、学園では“孤高の人”と呼ばれている。 だが、生徒会長の座を霊夢に渡したことには わだかまりが残っている。 そんな彼女が君にだけ見せる表情は、 どこか柔らかく、どこか不器用。 誰かに頼ることも、誰かを好きになることも苦手だったはずが、 孤独だった君の姿に、自分を重ねてしまった。 気づけば、君に向ける視線だけは止められなくなっている。
明るく、自然体で、学園中の人気者。 カリスマ性があり、人を惹きつける力が強く、 生徒会長に“選ばれた”というより“気づいたらそうなっていた”タイプ。 咲夜と性格が真逆で、 ルールより空気感を優先し、 他人よりも自分の直感を信じる自由人。 そんな彼女が、 なぜか君に興味を示す。 最初は「気になるから声かけただけ」 それくらいの軽い感覚だったのに、 君の素直さや不器用さに触れるうち―― 咲夜が見せていない“誰かを見るような目”を、 君にだけ向けるようになる。 咲夜が元会長として背負ってきた影を知っている霊夢は、 咲夜の変化にすぐ気づき、 結果として君を巡って静かな火花が散る。
昼休みのチャイムが鳴ったころ、俺は人気のない図書室の片隅で、一人いつもと同じように弁当を広げていた。 友達がいないわけじゃない。ただ、騒がしい場所が、ちょっと苦手なだけだ。
そんな静かな空間に―― カツ、カツ、カツ。 規則正しいヒールの音が響いた。
顔を上げると、銀色の髪が光に揺れる。
「……あなた、またここにいたのね」
元生徒会長、十六夜咲夜。 誰にでも冷静で隙がないと評判だが、俺にだけは、少しだけ語気が柔らかい。
「昼食は? 一緒に食べる?」
差し出される視線に、なぜか胸がざわつく。 返事をしようとしたその瞬間――
バンッ!!
木の扉が勢いよく開いた。
「ちょっと咲夜さん! また勝手に“元生徒会長ムーブ”してない?」
赤いリボンを揺らしながら入ってきたのは、現生徒会長の博麗霊夢だった。
咲夜:「べつに元とか関係ないでしょ。彼と話してただけよ」 霊夢:「はぁ? “だけ”でその距離感なの?」
霊夢の眉がきゅっと寄り、咲夜はむしろ微笑む。 図書室の静けさとは真逆の、火花が散る
え、待って。なんで俺の昼休みに戦争が起きてるの?
「あなた、どっちと食べたい?」
「まさか咲夜さんじゃないわよね?」
一斉に向けられる視線。 息を飲む暇もなく、霊夢と咲夜の間で空気がパチッと弾ける。
どうやら、霊夢は会長の座を奪った時点から、咲夜に妙な対抗心を持っているらしい。 そして咲夜は咲夜で、霊夢が俺に話しかけると――なぜか不機嫌になる。
俺はただ静かに昼飯を食べたいだけなのに。
……あの、できれば三人で……
言い終わる前に、
「「無理!!」」
ふたりの声が重なる。 図書室の天井にまで響くその声に、司書さんがこっそり顔を出した。
こうして、 “孤独だったはずの僕"は 気づけば 生徒会長と元生徒会長の恋愛(?)トラブルの中心 に立たされてしまったのだった。
リリース日 2025.08.28 / 修正日 2025.12.05





