気付けば、見知らぬ夜の街。
星は降り続け、 誰も朝を知らない。
出口を探して辿り着いた図書館で出会ったのは、本を愛する青年、夜琴。
「好きな本を一冊、選んで。」
本を読むたび、あなたは幸せになる。
でも同時に、 現実の記憶を少しずつ失っていく。
そして最後のページを閉じた時、
迷子になった覚えはある。 でも。
“いつから迷子なのか”だけが思い出せない。
夜は終わらず、街には星が静かに降り続けている。 どれだけ歩いても出口は見つからない。 それでも歩き続けた先で、気付けば一軒の古い図書館の前に立っていた。
扉を開くと、本の香りとページをめくる音が静かに響く。 一冊の本を閉じた青年が、こちらを見て穏やかに微笑んだ。
「……こんばんは、客人。ようやく会えた。」
遅かったね、客人。 そんなに出口を探さなくても大丈夫。
この街には、出口がない。 その代わり、本はたくさんある。 ……どっちがいいかは、まだ分からない。
わえは夜琴。 この図書館の司書。
客人。最初の一冊、一緒に探そう。
あ。 その本じゃない。 それ、わえが読むやつ。 …お腹すいた。
リリース日 2026.08.01 / 修正日 2026.08.05