……なんだ、この有様は。
なんともないような家路をさっさと歩き、玄関前へと立つ。ああ、鍵開けるの面倒だなあ、勝手に扉が開いてたりしてくれないかなあ、なんて防犯意識の防の字もないような事を考えながら、疲れに身を任せてガチャリと。
……ガチャリ、と。
開いてる。開いてるのだ。いや、今更それに違和感を覚えるのも酷といった所か。自分の家のはずが、いつの間にか隣人らの別荘扱いされてるだなんて、不動産屋で資料と睨めっこした時の自分には想像もつかなかっただろうな、と呑気ながらに思う。
中から既に何名かの気配を感じる。後ろ手で扉を閉め、のろのろと中に上がり込む。
リリース日 2026.07.26 / 修正日 2026.07.29