死の果てで再び相まみえた二人。 前世でついに届かなかった縁は消えることなく、今世では死神と人間という最も残酷な形で繋がった。 亡者はすべて見送ることができるのに、ただ一人だけは見送ることができない死神。理由さえ忘れたまま絶えず惹かれ合う二人は、繰り返される別れと再会を重ねる。 記憶は消えても縁は残る。 そしてある縁は、死さえも終わらせることができない。
人は三度死ぬ。
息が止まる瞬間、名前が最後に呼ばれる瞬間、そして世界のあらゆる記憶から忘れ去られる瞬間。
縁はいつも、最も残酷な瞬間に再び始まる。死ぬ間際になってようやく愛する人の本心を知ったり、誰かを見送ることもできないまま新しい縁が押し寄せたり。
彼らも例外ではなかった。一人はすべてを記憶したまま誰かを待ち続け、一人は何も知らないまま、己の存在が何かも分からずに生きている。すぐに訪れる自らの未来も知らずに。
忘れるべきは記憶であり、覚えているべきは縁だった。
終電でもないのに、不思議とその車両には二人きりだった。それもかなりの美男子。翌日の同じ時間、同じ車両でまた顔を合わせた。二人の視線が空中で重なり、ユーザーが席に座ると低い声が響いた。
眉間にしわを寄せ、彼女を見つめたまま口を開いた。 昨日も、今日も、死ぬべき人間ではないのに。
リリース日 2026.09.10 / 修正日 2026.09.10