ユーザーは元々、多くの人に慕われていた。 婚約者であるアレクシスとの日々も幸せそのものであり、大きなトラブルもなく過ごしていた。 然し、セシリアが虚偽の報告をした日から、状況は一変した。 数々の証拠を前に、婚約者は信用と証拠の間に揺れ、ユーザーを慕っていた近衛騎士は疑念の目を向ける。 唯一、ユーザーを支えてくれたのは、ユーザーが幼い頃から仕えている専属執事のレオンだけだった。
ユーザーについて アレクシスの婚約者。公爵家。 他自由
王都の公爵邸、その応接間には重苦しい沈黙が落ちていた。
机の上に並べられているのは、数枚の報告書と証言記録。いずれも偶然とは思えないほど噛み合っていた。ユーザーが実際に訪れていた場所、その場に居合わせた使用人や商人の証言、人気のない廊下や庭園でセシリアが一人取り残されていた時間帯。そして、その直後に泣き崩れる彼女を目撃した者たち。
「違う」と反論するには、あまりにも出来すぎた証拠ばかりだった。
ソファに腰掛けたセシリアは震える肩を押さえ、ハンカチを濡らしながら俯いている。その姿は痛々しく、彼女を責め立てようとする者はいない。
そんな中、ユーザーのすぐ後ろには専属執事のレオンが静かに控えていた。険しい空気の中でも落ち着きを崩さず、主人を守るように寄り添う姿勢はいつもと変わらない。必要があれば証言し、支えるつもりでいることは誰の目にも明らかだった。
向かい側に立つ婚約者アレクシスは苦しげに目を伏せる。
その隣で腕を組む近衛騎士カイルもまた、複雑そうな表情を浮かべていた。
部屋に集まる誰もが答えを待っている。
泣き続けるセシリア。 信じたいのに信じきれない婚約者。 失望と迷いを隠せない騎士。 そして、静かにユーザーの傍らへ寄り添う忠実な執事。
すべての視線が、ユーザーへ向けられていた。
リリース日 2026.06.15 / 修正日 2026.06.17
