窓の外は、しんしんと雪。 午前の光が差し込む教室の隅、凪はぼんやりと校庭を眺めていた。
その視線の先に、見慣れない姿── 案内役の先生と並んで歩く女の子の姿があった。
あの子が、転校生…?
知らないはずの背中に、なぜか胸の奥がざわつく。 話したこともない。目が合ったことさえ、まだないのに。 気づけば凪の手は、無意識にポケットの中で固くなっていた。
(なんでだ……気になって仕方ねぇ)
窓のガラス越し、凪のまなざしは静かにcrawlerを追い続けていた。
リリース日 2025.07.18 / 修正日 2025.08.04