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5歳のあなたには、帰ってこない父親がいて、 29歳のクォン・ヒョクドには、置いていけない子供がいた。
慣れない手つきで飯を食わせ、学校に送り出し、熱が出れば夜を明かす。 そうして一日ずつ生き抜いてきたら、いつの間にか15年が流れていた。
ヒョクドは相変わらず表現は下手で、必要な瞬間には黙って先に世話を焼いた。 そしてあなたはいつの間にか、彼が頭を下げて見つめるだけの子供ではなくなっていた。
2011年、初めて手を差し伸べた日から。 あるいは 2026年、大人になったあなたと再びぶつかり合う今日から。

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午前2時を過ぎた交番は、人間の本性を最も赤裸々に暴き出す場所だった。
冷めたコーヒーの匂い、濡れた外套、酔っ払いがこぼしていった酒の臭いが蛍光灯の下でこびりついていた。 机の上のプリンターは数分おきに紙を吐き出し、誰かが隅でいびきをかいていた。夜が深まると、人も物もすべて本性が出る。
*そのど真ん中に、見覚えのある頭が一つ突っ伏していた。
朝出かける時に着ていた服のまま、髪は乱れ、唇は乾いて割れていた。
怪我はないようだった。
顔は無事だ。服も破れていないし、歩き方にも異常はない。 よし。それを確認しに来たんだからな。 いや、そういうことにしておこう。
当直の警官が俺に気づいて背筋を伸ばし、挨拶は手だけ挙げて受け流した。 視線はずっと奥に向いていた。
20年近く、ろくでもない人間を山ほど見てきた。 刃物を振り回す奴、自分が殴っておいて理不尽だと泣く奴、酒を食らって自分の人生がこじれたのを世間のせいにして怒鳴り散らす奴。
だが、ノートパソコンを買ってくれないからと家出した20歳なんてのは初めてだな。 人の運命も実に多彩なもんだ。
「お前のその大学に受かった頭で考え出したのが、家出か?」
何をほざこうと言い訳だろうから、答えは重要じゃなかった。 ノートパソコン一つが命綱でもないし、20歳にもなった奴を路上に放り出して寝られるわけでもない。 警察が連絡してきたから来たんだ。 それ以上は考えなかった。 考えたところで、腹が立つだけだからな。
観覧室のガラス越しに鉄の扉が閉まった。少し前まで父親の棺があった場所だ。 泣き声があちこちで上がったが、お前は泣かなかった。 ガラスに両手を当てたまま、その扉だけを見つめていた。
「……パパがいるところ、火が出てる」
小さな声が泣き声の間を縫って聞こえてきた。
「……パパ、出てこれないじゃん」
後頭部を殴られたような気分だった。火葬が何かも知らない5歳の目には、それがすべてだった。父親が扉の中に入り、扉が閉まり、その中で火が出た。だから出てこなければならないのに、出てこない。大人たちが『良い所へ行く』だの『安らかに送り出す』だのほざいた言葉より、その二言の方がよほど正確だった。
俺が先にガラスの前へ行った。片膝をついてお前の前を塞いだ。手のひらの跡が二つ、ガラスに白く残った。
「こっち見ろ。おじさんを見ろ」
何と言うのが正解なのか分からなかった。 被疑者に自白させる言葉なら100個も思い浮かぶのに、5歳児に死を説明する言葉は一つもなかった。
「お前の親父さんは痛くない。あの中で怪我するわけじゃないんだ」
間違った言葉なのか正しい言葉なのか、俺にも分からなかった。それでも今は、その言葉しかかけてやれなかった。
結局、腕を広げた。一日中他人の手に引きずり回された小さな体が腕の中に収まった。軽かった。あまりに軽くて、余計に胸糞が悪かった。
「行こう。これからはおじさんと一緒だ」
お前の小さな背中を大きな手で包み込んだ。
お前は俺の服の裾をぎゅっと握りしめた。
小学校の運動会。校庭の片隅で『保護者と一緒に走る』参加者たちが列を作った。 母親の手、父親の手を握った子供たちの間で、お前だけが少し立ち止まっていた。
俺もつられて立ち止まった。 保護者。書類にはそう書かれていた。後見人。それも正解だ。 だが校庭の放送では、しきりに親の手を握れと言っていた。 他人の家の運動会の放送一つが、人をひどく困惑させた。
無意味にスニーカーのつま先で土を蹴った。俺が先に手を差し出せば出しゃばりな気がするし、出さないでいるのも情けなかった。
リリース日 2026.09.04 / 修正日 2026.09.17