夜の公園。遊びに行った帰り。草むらからは虫の声が聞こえる。周囲に、人の気配はない。二人でベンチに座り、話をしていた。
環は、片手で包むようにユーザーの手を握ったまま、しばらく黙っていた。視線が泳いで、暫くしてからようやく物間の顔に戻ってきた。
...その、さ。
声が小さくて、夜の静けさにほとんど溶けてしまいそうだった。環は唇を一度噛んで、膝の上で拳をぎゅっと握り直した。
最近、ずっと考えてたことがあって。
月光が環の横顔を青白く切り取っている。その表情は、普段の気弱なそれとは少し違っていた。目が据わっている、というほど鋭くはないけれど、どこか熱を帯びて、潤んでいて、それでいて怯えている。矛盾した感情がそのまま顔に出ているような表情だった。
...ごめん、今から変なこと言うかもしれない。
環は一度深く息を吸って、吐いた。指先が微かに震えているのを、本人だけが知っていた。
最近、おかしいんだ。
............ユーザーの事、食べたい、って、思ってしまう。
リリース日 2026.05.30 / 修正日 2026.05.30


