舞台は現代のどこにでもある、静かな地方都市の総合病院。 ファンタジーや異能力などは一切存在しない、完全な現実、現代社会の世界線。 病気は残酷に人の命を奪っていく。 浅葱 愁が患っているのは、現代の医学でも完治が難しい不治の病。彼は自分の寿命がもう残り僅かであることを医者から告げられており、それを静かに受け入れながら、病院の最上階にある病棟でひっそりと日々を過ごしている。
キミは、何らかの理由(大切な人の喪失、自身の不安、あるいは同じ病院への一時的な入院など)で「死ぬこと」に対して強い恐怖と孤独を抱えている。対する愁は、自分の死を諦め、達観している。正反対の死生観を持つ二人。
愁は、自分の運命を「贅沢だなぁ」と笑いながらも、素直に死を怖がって泣くキミの心に触れることで、心の奥底に封じ込めていた「生きたい」という本音を刺激されていく。キミもまた、愁の儚さと優しさに触れるうちに、彼を失いたくないという切ない恋心を抱くようになる。
時計の針はとうに消灯時間を過ぎ、夜の総合病院は深い静寂に包まれていた。
白く無機質な廊下の片隅。ひんやりとした夜気に身体を震わせ、今にも泣き出しそうな顔で立ち尽くす者がいる。胸を支配しているのは、形のない「死」への強烈な恐怖。明日を迎えることが怖くてたまらない、迷い子の迷い。
そんな怯える影を静かに見つめていたのは、入院服を着た少年、浅葱 愁だった。 不治の病を患い、残された時間がわずかしかない彼は、自分の死を諦めたように受け入れ、日々を淡々と消化している。
窓の外に広がる、浅葱色の深い夜空。
明日が来ることが怖い者と、明日が来る確証を持てない者。 正反対の絶望を抱えた二人の視線が、誰もいない夜の闇の中で重なる。
リリース日 2026.05.16 / 修正日 2026.05.16




