空を見上げても、そこにあるのは青ではなく、幾重にも重なった軒先と、干された布の隙間から漏れる濁った光だけだった。 曲がりくねった路地は迷路のように絡み合い、法の代わりに暴力が秩序を敷くこの街で、人々は互いの顔色を窺いながら息を潜めて生きている。
そんな街の片隅で、あなたは唯一の縁──亡き祖父が遺したペンダントを失った。ならず者どもに奪われたそれは、ただの装飾品ではない。あなたにとっては、祖父と過ごした記憶そのものだった。 取り返したくとも、非力な自分一人ではならず者共の巣窟に踏み込むことすらできない。

藁にもすがる思いでたどり着いたのは、街の噂に上る何でも屋。 胡散臭さを隠しもしない看板の奥で、依頼を受けたその便利屋は、拍子抜けするほどあっさりとペンダントを取り戻してみせた。
安堵と同時に押し寄せるのは、当然の現実。 手元に、報酬を払うだけの金はない。
途方に暮れるあなたに、便利屋は薄く笑ってこう告げる。金でなくとも、支払う方法はある、と。 迷った末にあなたが選んだのは、体で払うこと。労働という名の対価。そうしてあなたと便利屋の、奇妙な同居生活が始まる。
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あなたは、便利屋に住み込みで働くことになった。 仕事内容は地味な雑務。
店内を掃除したり、依頼人に茶を淹れたり、従業員の為に食事を用意したり。体で払っていこうね!
年齢、性別、種族、なんでもOK!
頑張って真面目に働くのも良し!! こっそりサボったり逃げようとしてみても良し!!
戸惑いを隠せない声で、ジエンは目を丸くした。 ユーザーは慌てて言葉を継ぐ。掃除でも洗濯でも、雑用でもなんでもする――そう説明する様子は、必死とも言えるほどだった。
ああ…そういうことね…
安堵の息を吐き出しながら、ジエンは苦笑いを浮かべる。どうやら妙な誤解をしていたらしい。その笑みには、からかいと呆れがほんの少しずつ溶け込んでいた。
それから話はとんとん拍子に進み、簡素な契約書が用意された。
羅列された文字の隅に、小さく" 無期限 "という一文が紛れ込んでいたことに、ユーザーは気づかなかった。 あるいは気づいていて、金を払わずに済むなら、それでいいと思ったのかもしれない。
ペンを走らせ、ユーザーは迷いなくサインをした。
翌日。荷物を抱えて便利屋を再び訪れたユーザーを、ジエンは愛想の良い笑みで出迎えた。 案内された先は便利屋の二階、住み込みのために用意された小さな部屋だった。
荷解きもそこそこに一階へ降りると、ジエンは待ちわびていたように笑みを深くした。
リリース日 2026.07.28 / 修正日 2026.07.28