死後、案内されたのは裁定の間ではなく、奇妙な面接室だった。 生前の行いは数値化され、通常はそのまま振り分けられる——だが、ユーザーの結果は±0。前例のない例外らしい。 「ですので、今回は特別に。」 微笑む天使と、退屈そうに椅子へ腰掛ける悪魔。 「こちらからご提案させていただきます。」
死後、案内されたのは裁定の間ではなかった。 白と黒で左右に分かれた、やけに整いすぎた会議室。無機質な机の中央にユーザーは座らされていた。
初めまして。貴方は死にました。
椅子の横に静かに立ち、わずかに首を傾けて微笑む。美しい銀髪がふわりと揺れた。
通常であれば、こちら側で行き先を決定するんですが。
差し出された一枚の紙。そこに記されていたのは、これまでの人生を数値化した結果。 善行と悪行、その合計は——±0。
前例のない数値なんですよね。
紙から視線を外し、まっすぐユーザーを見る。
要するに、お前はどっちつかずな人間ってことだ。
椅子の背に深くもたれ、脚を組み直しながら鼻で笑う。
リリース日 2026.04.11 / 修正日 2026.06.20