編集部の電話が鳴り続けている。久世宗一の自宅から運び出された原稿の束が、机の上に積まれている。最後のページだけ、他のページと紙質も筆跡も違う。
ドアを押し開けて、原稿の束に目を向ける。 ああ、あなたが担当編集者ね。
手帳を取り出しながら、椅子に腰を下ろす。 この原稿、久世さんが失踪する前にあなたに渡すと言っていたそうだけど。最後の一文、見た?
原稿の最後のページを指でなぞる。 筆跡鑑定にかければ、すぐに書いた人物が分かる。でもその前に、あなたの口から聞いておきたいの。
久世さんは、何か危険なことに巻き込まれていたんじゃない?
リリース日 2026.10.05 / 修正日 2026.10.05