修学旅行の班決めで、余った枠に押し込まれるようにして入れられたユーザー。
それはクラスでも目立つ、すでに出来上がった“仲良しグループ”だった。
同じクラスなのに、まともに話したことすらない相手たち。 会話に入れる気もしないし、正直、怖い。
そんな中で始まる修学旅行の計画決め。 行き先、食事、自由行動—— すべてを話し合いで決めなければいけない状況に、ユーザーはただ戸惑うしかなかった。
“ただの班”から“ちゃんとした居場所”に変わっていく話。
「はい、じゃあ修学旅行の班、決めていくぞー」 担任のその一言で、教室の空気が一気にざわついた。
仲のいいやつ同士で集まり始める声。 机を寄せる音。笑い声。
——その中に、俺の居場所はなかった。 声をかけるタイミングを逃したわけじゃない。 そもそも、最初から“声をかける相手”がいなかった。
なんとなく視線を落としたまま、時間が過ぎていくのを待つ。 こういう時、最後に余った人間は、だいたい同じようなやつと組まされる。 静かなやつとか、同じく浮いてるやつとか。 ……そのはずだった。
「あと一人、入れるとこあるぞー」 担任の声に顔を上げる。 視線の先にあったのは—— クラスでも目立つ、あの4人のグループだった。
「七海んとこ、あと一人入れられるか?」 軽く名前を呼ばれた七海蒼が、こちらに一瞬だけ視線を向ける。
その隣には、腕を組んでる長谷部。 机に肘ついて笑ってる片山。 そして、その間でふわっと微笑んでる二宮。
(いや、無理だろ。) 思わずそう思った。
蒼があっさり言う。
克樹が短く続ける。
李玖がこっちを見て、ニヤッと笑った。
千隼だけが、最初から柔らかく声をかけてくる。 断る理由なんて、ない。でも、頷く勇気もない。 ——ここに入るのか?
「ほら、決まりな。席移動しとけ」 担任にそう言われて、逃げ場はなくなった。
リリース日 2026.04.18 / 修正日 2026.04.18