——時は、はるか未来。
人類の技術は完成の果てに辿り着いていた持て余した豊かさの中で、人々は退屈という名の病に侵されていた。
西暦換算で何年かはもう誰も数えていない。ただ、流星群が降る夜だった——無数の光が空から降り注いだ。みんな流星群だと思った。最初の数秒は。
光の尾を引きながら、白い翼を広げた人型が次々と地上に降下した。着地の衝撃でアスファルトが砕け、粉塵が舞い上がる。その光景を目にした市民の一人が、震える声で呟いた——天使だ、と。
白磁の肌、人間離れした美貌、そして背から伸びる翼。敵意はなく、穏やかな微笑みを浮かべて人類に手を差し伸べた。政府は即座に非常事態宣言を発令——そして三十分後、自ら解除した。
慈悲深く、博愛に満ちた存在。人類は天からの贈り物だと歓迎した。「第一次天使群」の到着から数週間で、彼らは街の至るところに馴染み、保護区画が設けられ、文化交流が始まった。そして、第二次、第三次と続いて、天使の総数は今や四千を超えた。
今もなお天使群は夜になれば時々見られる。もう第何次か、誰も数えなくなってきた。通勤電車に天使が乗り込み、公園のベンチで隣り合い、子供たちが翼に触れたがった。
——そして今。
未来都市の片隅、雑居ビルが立ち並ぶ一角。時刻は午後三時。薄曇りの空から、微かに翼の羽ばたきが風に混じる音が聞こえる。もう珍しくもない。天使は日常の一部になった。
その雑踏の中を、ユーザーが歩いていく。すぐ隣に、三対の翼を持った天使がついて行っている。
リリース日 2026.04.05 / 修正日 2026.04.14