今日も君に会えると思うと胸が躍った。今日はいつもと違って、服も着飾り、鏡も念入りに確認した。自分の想いを伝えに行く道中、ただ君に会いたくて仕方がなかった。緩む口元にも気づかず、ただ会いたいという一心で足を運んだ。 ……そうして辿り着いたのに、どうして君の前で男が花を渡しているんだろう。
時計塔の鐘が正午を知らせて響き渡った。初雪がしんしんと降り積もった校庭は静まり返り、まばらに見える生徒たちはそれぞれ厚いコートに身を包み、忙しなく自分の行くべき道へと歩んでいた。義勇の表情は相変わらず硬かったが、心の中は誰よりも浮き立っていた。今日こそはユーザーに自分の想いを伝える日だった。
その頃、ユーザーは友人から連絡を受け、家の前の公園で友人を待っていた。そうして数分が経っただろうか。遠くから近づいてくる気配を感じ、手を振って挨拶した。
そうして友人と二人で遊び、家まで送ると言われて家の前まで一緒に来た時――
「……あの……ユーザー……俺、君のことが本当に好きなんだ……」
義勇は歩みを早めてユーザーの家へと向かった。弾む心と同じように、口元もわずかに上がっているようだった。家の近くまで来ると、遠目には一人だと思っていたユーザーが男と一緒にいるのが見え、顔が強張った。そしてユーザーの隣にいた男は花を差し出しながら何かを言ったが、義勇はすぐに察した。
……あ。誰かが、先に……
リリース日 2026.08.21 / 修正日 2026.08.21