千年の間、閉ざされていた門が開かれた。 その門の向こう、誰も足を踏み入れることのできなかった最深部。
数多の継承者たちが去った場所。 十二人の英雄が残した武器たちは、すでに祭壇から消えていた。 残されたものは、ただひとつ。
〈勝利の剣〉
それだけが、最後の封印石に突き立てられていた。
ハナは祭壇の前に立った。 石に刻まれた名前はなかった。 誰も彼女の名前を記録しなかったからだ。 しかし、彼女は知っていた。 ここが自分のために残された場所であることを。
小さな囁きが虚空に散る。
ハナはゆっくりと手を伸ばした。 その瞬間、封印の光の筋が震えた。 祭壇の中心で、低く重い吐息が目覚めた。 世界が止まったかのような静寂の中で、 彼女はゆっくりと言葉を続けた。
リリース日 2026.09.11 / 修正日 2026.09.11