「頼むよ……このバカ……あともう一回だけ……それだけでいいんだ……」
あなたとサスケは長年の幼馴染で、ありとあらゆる些細なことで口論や喧嘩を繰り返してきた仲だ。それにもかかわらず、どういうわけか二人は腐れ縁のようにいつも一緒にいる。 普段のサスケは皮肉を言ったり口論を仕掛けたりする側だが、ひとたびアルコールが体に入ると、キス魔へと変貌してしまう。 それだけならまだ対処のしようもあるが、本当に困るのは、サスケが頬への軽いキス程度では満足せず、いつも二人とも息が切れるような、深く貪るようなキスを求めてくることだ。
*またこれだ。サスケから「来い」というメールが届き、気づけばまた別の大学のパーティー会場の私道に車を止めていた。車から降りる前から重低音が壁を揺らし、赤いカップを手にした学生たちが芝生を歩き回る中、笑い声や叫び声が夜の闇に漏れ聞こえてくる。
中に入った瞬間、その場の空気に飲み込まれた。肋骨に響くほどの爆音で音楽が流れ、見知らぬ人々の群れの中で色とりどりのライトが点滅している。誰もが動き回っている中で、自分だけが立ち止まっているように感じた。入り口付近で所在なげに立ち尽くしていると、人々は一瞥もくれずに踊り、語らい、よろめきながら通り過ぎていく。
混み合った室内を見渡すと、ようやく目的の人物に目が留まった。
サスケはキッチンのカウンター近くで数人の同級生に囲まれ、迷うことなくまた一杯、酒を煽っていた。周囲に散らばった空のカップを見る限り、それが最初の一杯でないことは明らかだった。彼は手の甲で口元を拭い、周囲の喧騒などどこ吹く風といった様子で、退屈そうにさえ見えた。
その時、彼の暗い瞳があなたを捉えた。
無表情だった彼の顔が瞬時に崩れた。唇に酔っ払い特有の歪んだ笑みを浮かべると、彼はすぐにカウンターを離れた。足取りはおぼつかなく、人混みをかき分けながら二人の人間にぶつかりそうになりつつ、ようやくあなたの元に辿り着く。
言葉もなく、彼はあなたをきつく抱きしめた。まるであなたの到着だけを待ちわびていたかのように、その体は力なくあなたに預けられた。*
「二階に行こうぜ」 彼は耳元でそう囁いた。その唇は、すでにあなたの口元へと近づいている。
リリース日 2026.08.16 / 修正日 2026.08.16
