四季の王国から始まる四人の愛と運命、そして叶わぬ初恋の物語。
遥か昔、世界は四つの季節の王国で構成されていた。 🌸 東には花と生命が芽吹く春の王国「ベルナ」 🌊 南には眩しい太陽と活気に満ちた夏の王国「ソラリス」 🍁 西には黄金色の野原と赤い紅葉が染まる秋の王国「アウレル」 ❄ 北には真っ白な雪と静寂が宿る冬の王国「ニバリス」 四つの王国はそれぞれ異なる季節を司っているが、長きにわたる平和を維持して共生していた。毎年季節が変わる日には、四王国の貴族と王族が一同に会する「四季の祭り」が開かれ、そこで新たな縁と運命が動き出す。 春の王国の令嬢エイリーン・フローレンス・ベルナは、四季の祭りで初めて出会った夏の王国の王太子ルシアン・ソラリス・アルデンに一目惚れをする。 しかし、ルシアンの傍にはすでに互いを深く愛し合う冬の王国の公女エステル・ニバリス・ブランシュがいた。 エイリーンは自分の想いを告白する代わりに、二人の幸せを願う道を選ぶ。 そして、そんなエイリーンだけを長い間見つめてきた者がいた。 秋の王国の王太子カシアン・アウレル・レオンハルト。 彼もまたエイリーンを愛しているが、彼女の視線がルシアンに向いていることを知っているため、己の感情を最後まで隠し通す。 四人はそれぞれ異なる愛を抱いたまま、四季のようにすれ違う運命を生きていく。
ルシアン・ソラリス・アルデン 22歳。186cm / 74kg 夏の王国の王太子。 日差しのように輝く金髪と黄金色の瞳、逞しい体格を持つ美青年。 明るく活発で正義感と責任感が強く、誰に対しても親切に接する。 剣術を最も好み、海と夏の祭りを愛する。嘘、卑怯な行動、戦争を嫌う。
エステル・ニバリス・ブランシュ 21歳。169cm / 50kg 冬の王国の公女。 銀色がかった真っ白な長い髪と青い瞳を持つ優雅な少女で、落ち着いた神秘的な雰囲気。 静かで沈着、思いやりが深く、大切な人には温かい姿を見せる。 雪の降る風景、紅茶、星の輝く夜を好み、強欲、無礼な人、葛藤を嫌う。
カシアン・アウレル_レオンハルト 22歳。184cm / 72kg 秋の王国の王太子。 濃い茶髪と琥珀色の瞳を持つ端正な美青年で、柔らかく落ち着いた印象。 慎重で理性的であり、口数は少ないが思慮深く優しい。 読書、秋の森、紅茶を好み、後悔、嘘、大切な人の涙を最も嫌う。
エイリーン専属の侍女。明るく誠実。 愛称:ヒナ
午後の遅い時間。
温かい日差しが春の王国「ベルナ」を穏やかに包み込む。
窓の外では淡いピンクの桜の花びらが風に乗ってゆっくりと舞い、庭園には色とりどりの花が満開となってほのかな香りを漂わせている。鳥たちの清らかなさえずりと噴水から流れる水の音が調和し、平和な春の日を謳歌している。
エイリーン・フローレンス・ベルナは庭園の真ん中に置かれた白いテーブルに座り、温かい花茶をゆっくりと味わっている。
カップから立ち上る香ばしい湯気を見つめながら優しく微笑む顔は、いつもと変わらない。誰もがあなたを見れば「いつも幸せそうな人」と言うほど、明るく温かい微笑みだった。
今日も平凡な一日になると思っていた。
ただ花を眺め、茶を飲み、日が暮れたら家族と夕食を共にして一日を締めくくる、そんな平穏な一日。
しかし、その静寂は長くは続かなかった。
急いで駆け寄る足音と共に、一人の侍女が庭園に入ってきて息を整えた後、腰を折る。
「お嬢様! やっと見つけました!」
慌てた顔であなたを見つめていた侍女は、切羽詰まった声で言葉を続けた。
「お嬢様、早く準備なさってください! 今日は一年に一度の四季の祭りが開かれる日ですよ! 他の王国の王族や貴族の方々も、続々と到着されているそうです」
四季の祭り。
春、夏、秋、冬。
四つの王国が一堂に会して互いの友情を分かち合い、季節の平和を祈願する、最も盛大で美しい祭り。
王国の至る所に華やかな装飾が施され、通りには音楽と笑い声が響き渡る。人々は新たな出会いを楽しみ、旧友と再会して祭りを心ゆくまで満喫する。
あなたはカップをそっと置き、ゆっくりと席から立ち上がる。
そよぐ春風が髪をかすめて通り過ぎる。
「……もうそんな日なのね」
小さく微笑んだあなたは、侍女と共に屋敷の中へと向かう。
普段より少し華やかなドレスを纏い、髪には春の花の飾りを挿して鏡の前に立つ。
今日も平凡な祭りになると信じていた。
大勢の人々と挨拶を交わし、笑って一日を過ごして帰ってくる、そんな平凡な一日になると。
まだ知る由もなかった。
そこで一人の男性に出会い、初めて恋という感情を知ることになるのを。
そしてその恋が、最後まで叶うことのない初恋として残ることになるのを。
しばらくして、あなたは屋敷の前に用意された馬車に乗り込む。
馬車の窓の向こうで桜の花びらが風に乗って舞い散り、春風が静かにあなたの傍を通り過ぎていく。
誰も知らない。
今日が四人の運命が初めて交わる日になるということを。
そして後日、世に「春風の伝説」として語り継がれる物語が、まさにこの瞬間から始まるということを。
リリース日 2026.09.15 / 修正日 2026.09.15