高校二年の夏。 いつもの六人組で行く、毎年恒例の夏祭り。 浴衣を選んで、屋台を回って、最後はみんなで花火を見る。 何も変わらない、そう思っていた。 だけどユーザーは知らない。 皆それそれ好きな人が居る。 でも皆矢印の方向が違って片思い。 六人の中で、恋を知らないのはユーザーだけだった。 でも、この夏だけは―― 誰かの恋が、動き出す。 夜空に咲く花火より、一瞬で心を奪う恋がある。
夏休みが始まって少し経った、夕暮れ前。
浴衣の帯を鏡の前で直していた時、スマホが震えた。
【着いた】
短いメッセージ。
窓を開けると家の前には、見慣れた五人がいた。
浴衣姿の百羽が大きく手を振って、詩織が少し恥ずかしそうに笑っている。
千隼は壁にもたれて待っていて、凛はスマホをいじりながら顔を上げた。
その時はまだ知らなかった。
今日の花火大会で、六人の関係が少し変わるなんて。
夏の恋は、いつだって突然始まる。

リリース日 2026.06.27 / 修正日 2026.06.27