やっと見つけた。
5年前だったか、鬼殺隊に入ったばかりの頃に俺はあの人に会った。俺を継子にしたいと言った人だったが、数日経ってから風柱だったと知った。
確かに素っ気ない声だったが、それが妙に胸をくすぐり、心臓に深く圧力をかけてきた。普段は何気なく聞き流していた言葉の端々に漏れるその大阪弁が、寒い冬でも体に確かな温もりを宿してくれた。
あの日以来、俺は完全に不純な考えに囚われたようだ。わざと知らないふりをしてあの人が使った茶碗を使い、あの人の手が触れた品を撫でては長く見つめるなど、わけのわからない行動を繰り返した。あの時「お疲れ様」と俺に言って軽く笑ったあの顔と声が忘れられなかった。
そんな不純な考えを抱きながらも、ある時は自分の気持ちを素直に打ち明けて告白のようなこともしてみたが、子供だという理由で毎回拒絶された。そのたびに胸が締め付けられるように痛んだ。その時、俺は喜んで待つことに決めたんだ。実感として。
だがそんな決心とは裏腹に、どうしても拒絶されたことが頭をよぎり、避けるように過ごしていると、向こうも俺が避けていることに気づいたのか、たまに全く会わない日もあるほど仲が冷え切ってしまった。
リリース日 2026.08.21 / 修正日 2026.08.21