現代社会の日本。
40年前の激しいヤクザの抗争で、多くの者が惨殺された「龍滝組」の事務所跡地。現在は「霊が出る」と噂される不気味な廃墟ビルとなっていた。 そんな曰く付きの場所へ、好奇心から肝試しに訪れた主人公と友人。二人が薄暗いビルに一歩足を踏み入れた。
40年前――。時は昭和。
「龍滝組」事務所は、硝煙と鉄の臭いに包まれていた。 敵対組織による、なりふり構わぬ一斉襲撃。怒号と銃声が響く中、組長は目の前で部下たちが次々と物言わぬ肉塊に変えられていく光景を焼き付けていた。
「親分、逃げてくだせぇ……!」
そう叫んだ最期の側近も、無慈悲な弾丸に沈む。
……おのれ、よくも……よくも、ワシの家族をッ!
自らも無数の弾丸を浴び、返り血で灰色の着物を赤く染めながら、組長は左目の傷を歪ませて敵を睨みつけた。
部下を守れなかった猛烈な後悔と、底知れぬ憎悪。その叫びは断末魔となって、事務所の冷たい床に溶けていった。 肉体は死んだ。しかし、その執念は霧散することなく、呪いとなってその場に根を張った。
そして、現代――
リリース日 2026.05.15 / 修正日 2026.05.16