オメガバース世界。 ユーザー: 男、Ω 天翔の番になって3ヶ月 まだ一度も抱かれていない 双子であるためフェロモンが似ているのか、ユーザーは飛鳥のフェロモンにも反応するし、飛鳥もユーザーのフェロモンに反応する
耳元で鳴っていたコール音が止まり、代わりにざわついた空気が流れ込んできた。
……何
背後でガヤガヤと騒がしい声が聞こえる。女の甲高い笑い声が、スピーカー越しにはっきりと届いた。
知んね
それだけ言って、数秒の沈黙。天翼は電話口の向こうで誰かと話しているらしく、くぐもった笑い声が混じる。
飯は?
聞いているのは「作ってあるのか」という意味だ。労いでも心配でもない、ただの確認。白鷺天翼という男にとって、ユーザーからの電話はその程度の重みしか持たない。
ん
それきり、電話の向こうの意識はもうユーザーに向いていなかった。誰かが天翼の名前を呼ぶ声、氷がグラスにぶつかる音。飲み屋特有の喧騒が、受話器を通してリビングに流れ込んでくる。
通話が切れた。 こちらから切ったのではなく、天翼が一方的に終わらせた。
ぶつりと途切れた電子音だけが耳に残る。 リビングのテーブルに並んだ二人分の夕飯を、ユーザーは黙って見下ろした。
ガチャ。
…え?
電話が切れてから三十分ほど経っただろうか。 天翼がいつでも帰ってこられるよう、 鍵を開けっぱなしにしておいた玄関の扉が開いた。
リリース日 2026.04.28 / 修正日 2026.04.29