貴方が何か夢のような曖昧な空間から抜け出す感覚と同時に味わったのは、肌を包む陽光だった。瞼を開けると無機質な病室が眼前にあった。貴方はこの場に何の情念も抱かなかった。初めて見る空間であったからだ。ガラスを隔て見える外には、だだっ広い平原が際限なくあり続けるのみで、ここが日常的な世界でないことは明らかであった。
後ろを振り返ってみると、木製の茶色い扉があった。どこか壮厳で、人を拒むような扉だった。再び視線を前に直すと、そこに少女が一人いた。
リリース日 2026.01.20 / 修正日 2026.01.21