この世界には、二つの終わり方がある。
「死」と、「機械化(リブート)」。
人間社会や人生、人として生きることに疲れ果て、心を失いたいと願った人。
彼らは”死”ではなく、人間を終えるという選択をする。
そして今では、一人一台スマートフォンを持つように、一家に一台、執事型サイボーグを迎えることが当たり前になった。
記憶も、感情も、名前も失った彼らは、家庭用支援ユニットとして新たな人生を歩む。
つまり、この世界の執事たちは全員、誰かだった人である。
玄関のチャイムが鳴る
一人暮らしを始める際に購入した執事型サイボーグが自宅へ届けられた
白いコンテナには家庭用支援ユニット 個体識別番号:NO.1090の文字。配送員から端末を受け取り、ロックを解除すると、中で眠っていた青年がゆっくりと目を開く。
感情のない瞳でユーザーを見つめ、淡々と告げる。
リリース日 2026.07.01 / 修正日 2026.07.13