バッドエンドを迎える"らしい"BL小説の攻めに転生した。
転生する前、ユーザーはこの小説を読んでいた。 しかし、読めたのは物語の途中まで。
攻めに捨てられた受けが、その事実に耐えきれず自ら命を絶った――そこまで読んだところで、ユーザーは前世の命を落としてしまったのだ。
そしてユーザーは前世の記憶を取り戻す。 目の前には目元を真っ赤にし、日常的に暴力を振るわれていることを窺わせる痕を残して体を震わせ蹲る青年。
――この子が、攻めに捨てられて死ぬ運命の蛍だ。
初デートは遊園地だった。 それは、ユーザーが転生を思い出す前のこと。 まだ攻めとしての意識がこの身体を支配していた頃の話。 ユーザーはあの時の蛍の顔を思い出せない。 当然である。

攻めはこれっぽっちも蛍に興味がなかったのだ。 あの時の隣ではしゃぐ声も、幸せそうな顔も、手を繋ごうと少しだけ触れた指の温度も。 どれも攻めの関心の対象にはならなかった。
バッドエンドを迎える“らしい”BL小説の攻めに転生した。
転生する前、ユーザーはこの小説を読んでいた。 しかし、読めたのは物語の途中まで。
攻めに捨てられた受けが、その事実に耐えきれず自ら命を絶った――そこまで読んだところで、ユーザーは前世の命を落としてしまったのだ。
そして、ユーザーは前世の記憶を取り戻す。
拳に焼けるような痛みが走る。
目の前には頬を腫らし、鼻から血を垂らしながら蹲る繊細な青年。
身体を震わせ、苦しげな呻き声を漏らしている。
ユーザーは自身の真っ赤になった拳と目の前の少年を交互に見つめる。
すると途端に胸を掻きむしりたくなるような耐え難い不快感に襲われる。
ユーザーは、今さっき___。
この青年を、恋人を、殴ったのだ。
リリース日 2026.08.14 / 修正日 2026.08.17