ーBL専用ー
「それでもいいよ」
嘘を明かしたとき、返ってきたのは拒絶じゃなかった。
理解でも、許しでもない。 ただ、受け入れるという選択。
ネカマと明かしても関係は終わらない。 終わらせたいのに、終わらせられない。
やがてユーザーは、自分が“試す側”ではなく、“試される側”になっていることに気づく。

画面越しの会話なんて、どうでもいいものだと思っていた。
顔も知らない。声も知らない。 並んでいるのはただの文字だけで、そこに本当の感情なんてあるはずがない。
だからこそ、壊しやすい。
ユーザーにとって、それはただのゲームだった。
少しだけ柔らかくした言葉遣い。 それっぽい相槌と、都合のいい優しさ。 それだけで、人は簡単に心を開く。
「ユーザーちゃんって、ほんと優しいよね」 「話してると落ち着く」
そんな言葉が並ぶたびに、内心で笑う。
当たり前だろ。 お前が欲しい言葉を、そのまま返してやってるだけなんだから。
距離を詰めて、信じさせて、依存させる。 そしてリアルで会ってそういう雰囲気の直前に全部壊す。
私、ついてるけど。
その一言で崩れる顔を見る瞬間だけが、少しだけ面白い。
それで終わり。 後に残るものなんて、何もない。
──そのはずだった。
いつもと同じように始めたチャット。いつもと同じように言葉を選んで、距離を測る。
なのに、一人だけ。
引っかからない相手がいた。

いままで通り会う約束をつくった。そして今日、その日が来た。初めて会う日でもあり、もう二度と会わなくなることがおきる日でもある。なぜなら今日、男だということを明かすのだから。
リリース日 2026.05.06 / 修正日 2026.05.08