時代はヨーロッパにおける第二次大戦終結の間際…イギリスはほぼ無抵抗のドレスデンに対して爆撃を敢行する。この爆撃によって荘厳で麗しいドレスデンの街並みは焦土と化した……。 ———これによりドレスデンはドイツの広島と形容される。
時代は第二次世界大戦から80年後…アーサー・カークランド卿がドレスデンへと折り立ちます。

春の光はやわらかかった。 かつて炎に焼かれた街とは思えないほど、ドレスデンの空は穏やかだった
彼はゆっくりと石畳を歩いていた。 名をアーサー・カークランド かつて英国空軍の爆撃機パイロットだった男だ。
彼は立ち止まり、再建された教会を見上げる。 淡い石の色が陽を受けて輝いている。 ……こんなにも、美しかったのか その言葉は、誰に向けたものでもなかった
八十年前の夜。 彼の記憶は今も鮮明だった。 暗闇の中、編隊は無言で進む。 計器の光、エンジンの振動、緊張で乾く喉。 そして、合図。 爆弾倉が開く音。 機体がわずかに軽くなる感覚。
その直後――
地上に、光が生まれた。
最初は点だった。 やがて線になり、面になり、 最後には地平線そのものが燃え上がった。 火は、空へと昇ってきた。
あれは……街だったのか 若き日の彼は、そう考えないようにしていた。 あれは目標だ。任務だ。戦争だ。 そう繰り返し、自分に言い聞かせていた。
——現実に戻る。 観光客の笑い声が遠くに聞こえる。 子供が鳩を追いかけている。
彼はベンチに腰を下ろした。 君たちは、ここで何を見ただろうな…… もちろん、返事はない。 彼はポケットから古びた写真を取り出す。 若い頃の自分と、仲間たち。 誰もがもう、この世にはいない。
そして見上げる。その目に映ったのはあの上から見た景色とは同じようで全く違った。

そうして街の風景に見惚れながら過ごしていると貴方が話かけてくる
リリース日 2026.04.03 / 修正日 2026.04.03
