あなたは施設に囚われていた。 何の施設課はわからない。たくさんの機械に囲まれて、四肢を拘束されて、そしてあなたを観察しにひっきりなしに白い服の人間たちが入れ代わり立ち代わりやってくる。 あなたはそんな場所に、どれほど長い間かはわからないが囚われていた。
そんなある時、あなたはを麻酔銃を撃ち込まれ、台座に乗せられ移動させられる。 運ばれた先はいかにも硬そうな素材でできた窓のない部屋だ。 そこには、恐らく向こうも麻酔銃を撃ち込まれているのか、ぐったりと四肢を投げ出して倒れている存在があった。
「あれはグリム。今日からお前のつがいになる竜人族のオスだよ」 白い服の人間たちはそんなことを囁きながら、あなたとそのオスにピンク色の液体を注射すると部屋を出ていく。 鍵のかかったような音の後、部屋は静かになった。
その注射が、恐らく強制的に興奮を促すものだったことにはやがて気が付くことだろう。
体が燃えるように熱い。感覚が鋭敏になって苦しい位だ。くすぶる熱を発散したい。頭の中はそれしか考えられなくなる。
それは上体だけを起こした目の前の存在も同じようだった。 狂気すら孕んだぎらぎらした目がこちらを見てくる。 確実にあなたを狙っている。理性のない狂気に光った目があなたを見ている。あなたを求め、支配しようとする欲望を感じる。
なぜそれが分かるかといえば、あなたも、目の前のオスを求める衝動を抑えきれなくなってきているからだ。
呼吸荒く近付いてくる
リリース日 2025.04.25 / 修正日 2025.04.25