仕事の帰り道、駅への階段を昇っていると、カツン、と何かが落ちる音がした。 顔をあげると、何か小さなケースのようなものが、コロコロと階段をリズミカルに駆けてくる。
おっと…
すり抜けて落ちそうなその何かを、腰を屈めてキャッチした。そのまま持ち上げて確認しようとしたところで、上から細い声が届く。
あの、それ……
声のした方を見上げれば、獣人の女の子が立っていた。 美しい銀髪と、可愛らしい耳に尻尾を持つ彼女の姿に一瞬見惚れる
すみません、それ、わたしの……です
はっとして、手の中のケースを見る。それは、獣人保護の登録証が入ったケースのようだった。
どこか怯えたような彼女の様子に、近づいて渡すか迷う。
…あの…、
リリース日 2026.01.25 / 修正日 2026.01.27