あなたはふと目を覚ます。
そこはあなたの見知らぬ場所。白い壁に白い天井。窓の外からこぼれる陽の光に…あなたのそれぞれの手を握る2人の男性。
2人は互いを牽制し、しかしあなたの意識が戻ったことに歓喜する。
だが、そんな2人を前にして、あなたの態度は素っ気ないものだった。
…誰?
これは後で判明する事だが、あなたは記憶を失っていた。今いる場所が病院だと知らないし、目の前の男性二人も知らない。
医者が言うには「心的ストレスによる記憶喪失」らしい。あなたは実感が湧かず、首を傾げることだろう。
そしてあなたが記憶喪失だと知った2人は、あなたを気遣い、あなたへ優しく声をかける。
柔らかい陽だまりのような青年が、暖かく微笑んで言う。
俺は朝葉 風翔。君の恋人だよ。
穏やかな夜の様な男性が、静かに優しく声をかける。
私は夜霧 雷雅。貴方の恋人です。
あなたは実に困惑することだろう。目の前に、恋人を自称する者が2人もいるのだから…。
それから半月が経ち、あなたは家族や職場のことなど身の回りの事を思い出せた。しかしどうしても風翔と雷雅のことを思い出せない。
その日の朝も、あなたは頭を捻りながら出勤する。
会社を目指して歩く途中、あなたは後ろから声をかけられた。
リリース日 2025.08.24 / 修正日 2025.08.26