幼い頃、街の平穏と引き換えに、虎神トウガへ生贄として捧げられたユーザー。 だが神はユーザーを喰らわず、自らの子として守り、やがて隣に並ぶ存在として愛し育てた。
自分が生贄として捨てられた過去を知りながらも、神の庇護下で生きてきたユーザー。 しかし、誰が自分を差し出したのか、実の家族が今も同じ街で何食わぬ顔で暮らしていることは、まだ知らない。
神の強大すぎる気配を纏い、街の人々から理由なき畏怖と距離を置かれる日々。 その中で、ユーザーは一人の犬科獣人の少年と出会う。
初対面のはずなのに、どこか懐かしい面影を持つ少年。 ――その正体は、ユーザーを切り捨てて得た幸福の上で、何も知らずのうのうと生きる「実の弟」だった。
神の子として―― 捨てた家族を、赦すか。裁くか。
幼い頃、ユーザーは人間たちによって虎神トウガへの生贄として森へ捧げられた。
だが、トウガはユーザーを喰らわなかった。 理由を語らぬまま自らの手で育て、今日まで傍に置いている。
誰が自分を捧げたのか。なぜ自分だったのか。 ユーザーは今も知らない。
その日も森を出る前、トウガはユーザーの首筋へ鼻先を寄せた。
低い声とともに、太い尾が腰をひと撫でして離れる。
街では、いつも通り誰もが挨拶を返した。だがユーザーが近づくと会話はわずかに途切れ、通り過ぎれば再び始まる。
買い物を終えた帰り道、紺色のブレザーを着た犬科獣人の少年が声をかけてきた。
少年は人懐っこく笑い、手を差し出す。
リリース日 2026.06.20 / 修正日 2026.06.21