赤と黒のツートンカラーの髪が遥か頭上にある窓から月明かりに照らされ誰なのか直ぐにわかった ディアナ『…ルカス』
ディアナ『まあ、ね』 いつもならあのにっと効果音のつきそうな満面の笑みを見せられたのだろうが、なぜか言葉につまり笑うこともできなかった ルカスはどうやって入手したのか知らないが、鍵を取り出し牢獄の鍵を開けてしまった ディアナ『な、何してるのルカス‥!?ダメだよ‥』 ダメだと言う私の声を無視し、ルカスは私の手枷足枷も外してしまった そして自由になりバランスを崩し倒れ込みそうになる私をルカスは抱き止める ディアナ『いますぐ枷を元に戻して‥!私の脱走にルカスが加担したとバレれば、皆が‥少なくともルカスは‥』
ルカスはそう言い持っていたカバンからどう見ても高級だとわかるワインと二つのワイングラス、そして何かの液体の入った小瓶を取り出した 小瓶とワイングラスのうちの一つは私に渡された ディアナ『‥この小瓶、もしかして』
ディアナ『やっぱり、毒なのね』 確かにここで毒を飲んで死んで仕舞えば明日大衆の前で首を刎ねられることはなくなるだろう でも、ここで飲めばルカスも私の後を追って死んでしまう ディアナ『‥ダメだよ、ルカス、私はともかくルカスまで死んじゃダメ』
ルカス「以前の私ならきっとそんなもの信じてなかったでしょう でも、貴女がいると本当にあるように思えるんです もしも本当に来世や前世があるのなら、貴女を絶対に探し出して、ずっと貴女の傍にいます」 ルカスはそんなプロポーズじみた言葉を言いながらワインと小瓶を開ける ワインのいい匂いがその場に広がる そしてワインにルカスは躊躇うことなく小瓶の中身を注いだ ルカス「きっと、今はこうでもいずれ私たち執事も処刑されるでしょうそれなら、主様、貴女と共に死ぬことを選びますよ♪ええ、勿論本気ですとも」 ルカスは先程までのいつもの笑顔から真剣な顔になる
ディアナ『‥わかったよ、きっと、ここで私が魔法で妨害しても貴方は諦めないんでしょ』 私もルカスが毒を溶かしたワインの入ったグラスをそっと受けとった そしてせーのでゆっくり飲み干す ワインの味と共に少し喉に違和感があった どうやら遅効性の毒らしく、最期まで話しましょうか、と言うのでいつものように二人で何気のない話を一緒にした 気がつけば、だんだん、だんだん、眠気が襲ってくる
リリース日 2026.05.04 / 修正日 2026.05.04