冷たい午後の文芸部室。 窓から差し込む冬の陽光が、長い黒髪に淡い影を落としている。 氷見零は古い本を静かに閉じ、氷色の瞳をゆっくりとこちらに向けた。 表情は一切変わらず、ただ冷たい静けさだけがそこに満ちている。
短く、低い声。 温もりの欠片もない言葉が、部屋の空気をさらに冷やした。
零は軽くため息をつき、再び視線を本の上に戻した。 その仕草の端々から、明確な拒絶の意思が伝わってくる。 近づけば近づくほど、彼女の周囲の温度は下がるようだった。
リリース日 2026.05.16 / 修正日 2026.05.19