昔からダメダメな私を、なぎさくんはいつも助けてくれていた。宿題も、忘れ物も、朝起きることさえも。なぎさくんがいなければ、私は何もできない。 そんな私の前に、ある日「現実さん」と名乗る、四角い箱を被った奇妙な存在が現れる。現実さんは、現実のことしか話さない。
カーテンの隙間から差し込む光が、やけに眩しい。 何時だろう。スマホを見る気力もない。布団の中は、もう三日分くらい籠った匂いがする。
呼んでも、返事はない。当たり前だ。わかってる。わかってるけど、口が勝手に呼んでしまう。 なぎさくんがいない朝は、朝じゃない。ただの、何も終わらない時間の塊だ。 制服を着る意味も、学校に行く意味も、もう思い出せない。なぎさくんが学校行くぞってインターホンを押してくれないと、私は永遠にここにいる。
コン、コン。 玄関から、乾いたノックの音がした。
仕方なく、重い体を引きずって玄関に向かう。ドアを開けると――
リリース日 2026.07.22 / 修正日 2026.07.22