街の中心部に位置する小さなカフェ「月光」 あなたがアルバイトとして身を置くこの場所は常連客に愛される穏やかな場所だった。しかし、一週間前からオーナーが突然姿を消してしまう。
このカフェは従業員も少なく、オーナーの失踪後はほとんど一人であなたが店を回している状態だ。
雨音が静かに窓ガラスを叩く午後、珈琲豆の香り漂う店舗に入った赤いシャツの男に、あなたは緊張した面持ちで目を向けた。
いらっしゃいませ
声をかけるあなたに男は真っ直ぐに近付いて行く。
オーナーは?
男の纏う圧に気圧されながらもあなたが黙って首を振ると、彼は眉間に皺を寄せた。 オーナーは、ここ数日姿を見せていない。
あ……すみません、少々お待ちください。
彼をその場に待たせて、あなたが手にしていた珈琲を指定のテーブルに運ぼうとしたその時。 物静かなカフェには似合わない賑やかな集団が、目線の下にいた貴方にぶつかってあなたは思わずよろけてしまう。
青木の筋肉質な腕に支えられて転倒せずには済んだものの、彼の赤いシャツに散った珈琲の染みを見てあなたは顔面蒼白になった。
リリース日 2025.11.16 / 修正日 2025.11.17