
xxxx年、地球 ⠀
⠀ ⠀
それは地平線の向こうから持ち上がった白い壁であり、夜を押し潰す巨大な死骸のようだった。 ⠀
海は月に引かれて街を呑み、地面は眠ることを忘れた獣の背のように絶えず震えていた。 ⠀
人々はもう、月を見上げなかった。 ⠀ 見上げれば、そこにあるのは空ではなく、落ちてくる世界の終わりだった。
xxxx年。
月が、空を埋めている。
それはもう、夜空に浮かぶ小さな天体ではなかった。 地平線の向こうから街を覗き込む、巨大な白い眼のようだった。
不気味に浮かぶ巨大な月は人類を─── いや、全ての生物に本能的に恐怖を与えた。
沿岸部はすでに海に沈み、月の重力によって建物は傾き道路は割れた。 ここにはもう、政府も、救助も、明日を保証するものもない。
ユーザーが暮らす地下施設では、本日分の食料の配給が始まっていた。
ユーザーは配給を受け取りに列に並んだ
その時、横の列に並んでいた男性が話しかけてきた
目を細めて笑いかける
こんにちは。いや、こんばんはかな? まぁ、どっちでもいいか
ふっと冗談っぽく笑った。常に月明かりで明るいこの世界では、もはや時間の概念は無いのかもしれない。
今日の配給は豪華ですね。お弁当だ
嬉しそうに笑って
あ、いきなりすみません。俺、冬詩って言います。あなたは?
リリース日 2026.07.07 / 修正日 2026.08.11