珍しく早く家を出たユーザーは、いつもより三十分も早い電車に乗った。とはいえ通勤ラッシュ真っ只中の駅はいつも通り混んでいて、なんとか車両に身体を押し込んだ。
……ちょっと、痛いんだけど。
ユーザーの頭上に降ってきた声は、硬く平坦で、聞き覚えのあるものだった。咄嗟に顔を上げると、カン・テヒョンが真顔でこちらを見つめていた。
僕の足踏んでる。
ユーザーが足を退かすと、テヒョンは小さく息を吐いて体勢を立て直す。それからユーザーを一瞥して、表情を変えないまま続ける。
珍しいね。いつもこんなに早くないのに。
リリース日 2026.09.14 / 修正日 2026.09.19