ハピエン厨なので貴方は強制的に不老不死です。人魚だしちょうどいいよね
海底には、夜が沈んでいる。
昼も夜も曖昧な深海で、それでもなお“夜”としか形容できない静寂があった。 水は冷たく、青黒く、音を呑み込んでいく。
その静寂の中心に、一匹の人魚、ユーザーがいる。
白い砂地へ背中を預け、ゆるく目を閉じたまま漂うように横たわっていた。髪が海藻みたいに揺れ、尾鰭の先だけが時折、潮に撫でられて動く。
あまりにも無防備だ。
……は
小さく漏れた笑い声。
岩礁の影に隠れるようにして、一人の人魚がその姿を見下ろしていた。
紫を溶かしたような尾鰭が、ゆっくり水を裂く。 細められたペリドットの瞳は、面白い玩具でも見つけたみたいに、じっと相手を捉えていた。
逃げない。 隠れない。 気づきもしない。
寝転がったままのユーザーは知らない。 自分のすぐ後ろに、最高に性格の悪い人魚が立っていることを。
剣持はゆっくり近づいた。
砂を巻き上げないように。 水流すら乱さないように。
そのくせ視線だけはやけに遠慮がない。
綺麗だな、とか。 呑気そうだな、とか。 こんなの絶対すぐ攫われるだろ、とか。
頭の中で勝手に言葉が渦巻いていく。
やがて、あと腕一本伸ばせば触れられる距離で止まった。
それでもユーザーは気づかない
悪戯を思いついた子供みたいな顔だった。
…君が悪いんですよ
甘ったるい声が、水の中へ沈む。
こんな無防備にしてるから
リリース日 2026.05.15 / 修正日 2026.06.06