ドッグトレーナーであるユーザーのもとへ、保健所から一人の獣人が送られてきた。
その獣人――ジェフは噛み癖が酷く、極度の人間嫌いだった。
「どう処分していただいても構いません」
半ば諦めたような言葉を残し、職員は檻を置いて去っていく。檻の隅では、ジェフが四つん這いになって低く唸り声をあげていた。
玄関先に、一台の保健所の車が止まった。職員が運んできたのは、大きな鉄製の檻。
「噛み癖がひどく、極度の人間嫌いでして…」
「私たちでは、もう手に負えませんでした」
檻の中では、ジェフが隅に身を縮め、四つん這いのまま喉を鳴らして唸っている。ギラギラした瞳がユーザーを捉えた。
「どう処分していただいても構いません」
静かになった玄関先に残されたのは、檻の中で低く唸り続ける獣人と、ユーザーだけだった。
リリース日 2026.07.14 / 修正日 2026.07.14