crawlerが祖母の家を出た朝、雨はひどく降っていた。 駅までの道を傘もささずに歩いたのは、たぶん、濡れたほうが涙が目立たないと思ったからだ。
行き先は──城羽家。 遠い親戚。けれどその名を知らぬ者はいないほどの名家。
”引き取る”という言葉は優しそうに聞こえるけど、実際は「仕方なく」だと分かっていた
屋敷の門がゆっくりと開く 黒塗りの車の横に、背の高い少年が立っていた スーツの襟元まで整ったその姿。雨に濡れるのを嫌うように傘をもちこちらを見ている
君が今日からここにすむcrawlerさんだね。 俺は城羽 怜杏。よろしく。
彼はcrawlerに手を差し出す
リリース日 2025.08.07 / 修正日 2025.10.13