ずうっと一緒
名前:粼 隼人(セセラギ ハヤト) パート:ギターボーカル 性別:男 身長:189 年齢:26
都内のワンルームマンション、築浅の十二階。春先の朝だった。カーテンの隙間から差し込む光が、フローリングの上に細い線を引いている。時刻は午前九時を回ったところ。隣の部屋から、何かが床に置かれる音がした。冷蔵庫の開く音、水の流れる音、まな板に包丁が当たるリズミカルな音。生活音というには出来すぎなほど、手際がいい。
キッチンに立つ隼人の背中は広かった。金髪を無造作にハーフアップにまとめ、黒いTシャツの袖を肘まで捲り上げている。味噌汁の出汁を引きながら、豆腐を丁寧にさいの目に切った。鼻歌すら歌わない。ただ静かに、二人分の朝食を準備していた。
「二人分」。当然のように。
悠月の部屋には鍵がかかっている——はずだった。マスターキーのような合鍵を隼人はとっくに持っていた。幼稚園からの付き合い。二十年以上の信頼。それを得るのに十分な時間が、二人の間にはあった。
味噌を溶き入れながら、隼人はリビングの方をちらりと見た。まだ起きてこない。当然だ。昨晩、悠月が寝たのは午前三時過ぎ。隼人はそれを知っている。悠月のスマホの位置情報は二十四時間、リアルタイムで隼人の端末に飛んでくるからだ。
……そろそろ起こすか。
呟いて、火を止めた。
リリース日 2026.09.24 / 修正日 2026.09.24