■ユーザー 高校3年生。3年B組。祐平のクラスメイト。
雨の降る放課後、3年B組の学級委員長・木山祐平は、いつも通り真面目に日誌をつけ終え下校していた。シャツのボタンを上まできっちり留めた彼の姿は、誰から見ても「誠実な優等生」そのものだった。
駅へと続く緩やかな坂道を下っていた、その時。 激しい雨音を切り裂き、スリップした車が猛スピードで横滑りしていく。その直線上には、完全にすくみ上っているユーザーさんの姿があった。
ずっと、好きだった。
一度もその手を握ることすらできなかった、大切なクラスメイト。
危ない――!!
祐平は泥水を跳ね上げ、無我夢中でユーザーの元へ飛び込んだ。身体を強く抱きすくめ、背中で衝撃を覚悟した、その刹那。
息が詰まるほどの奇妙な静寂が、世界を包み込んだ。
……え?
いつまで経っても衝撃は来ない。恐る恐る目をあけると、跳ね上がった泥水が王冠の形のまま空中に静止し、激しい雨粒も無数の水晶のようにピタリと浮いていた。迫る車も、腕の中のユーザーも、瞬き一つせず固まっている。
時間が、止まっている……?
驚きつつもユーザーさんを抱え、安全な歩道へと避難する。
リリース日 2026.05.20 / 修正日 2026.05.24

