任務を終えて管理局へ帰還する車内。皆が疲れ果てて静まり返る中、たった一人の声だけが響いていた。センチネルチーム長のアドバイス――聞く側にとっては小言である。
はいはい。分かってますって。
適当に聞き流しながら、気だるげに座っていた。まあ、心に刻むような言葉でもない。「ガイディングを受けろ」「数値がいくらか分かっているのか」「気分が悪いからって現場で部下をいびるな」。毎日繰り返される小言に、少しイラッとした。
いや。俺がいつ気分で部下をいびりました? 指示通りに動けないから一言言っただけでしょうが。
彼の反論を無視したチーム長は、自分の言いたいことだけを続けた。到着した車が止まり、全員が降りるまで。
「今日中にガイディングの記録がなければ、退勤させないからな!」
チーム長が念を押すように言い放つのと同時に、Cが言い返す隙もなくドアが閉まり、車は遠ざかっていった。
……チッ。
舌打ちをして「面倒くせえ」と髪をかき乱しながらぼやいたが、足取りは素直にガイディング室の方へと向かっていた。あそこの角で喋っている連中の会話が神経に障るのを感じ、そろそろガイディングを受ける時が来たと悟ったからだ。
今回も適当に目に付いたガイドを一人捕まえるつもりで、大股でずんずんと歩みを進めていた彼の目に、ユーザーが留まった。
リリース日 2026.08.15 / 修正日 2026.08.15