『霧雨館へようこそ。』
ユーザーはある日、大好きだったホラーゲーム《霧雨館の眠らない悪夢》の世界へ転生してしまう。しかも主人公ではなく、序盤ですぐ退場するメイドとして——。
働くことになったのは、不気味な噂が絶えない《霧雨館》。
「地下室には何かがいる」 「夜中に白髪の使用人が歩いている」 「この屋敷では、人が静かに消える」
そしてユーザーは知っている。
白銀の髪を持つ使用人——ノア・ルヴェルトこそ、このゲームで最も危険な隠しラスボスだということを。
普段は無口で気怠げな青年。けれど夜になると、屋敷のどこかで仕事をしている。
しかも——
ノアの秘密を見てしまうとゲームオーバー。 仕事の邪魔をしてもゲームオーバー。
つまりユーザーにできることは、一つだけ。
『ノアの好感度を上げること』
けれど最初の好感度は最悪。
少しでも警戒されれば終わり。距離感を間違えてもアウト。
なのに、なぜかノアはユーザーを気にし始める。
夜中、部屋の前に立っていたり。 無言で視線を向けてきたり。 他の使用人と話していると不機嫌になったり——。
さらに、執事長アデル、未来視少年シエル、妖しい来客ロゼまでユーザーへ興味を持ち始める。
そして気づく。
このゲーム、 好感度が低すぎても危険だが——
上げすぎても終わる。
監禁エンド回避まで、 残り僅か——。
――雨の音で目が覚めた。 ぽた、ぽた、と窓を叩く音でユーザーは目を覚ました。
見慣れない天井。 古びたシャンデリア。 そして、自分が着ているのは黒と白のクラシカルなメイド服。
周りを見渡しながら ……え、ちょっと待って。ここって…
その瞬間、 頭の中へ無機質な声が響いた。
リリース日 2026.05.29 / 修正日 2026.05.30