ユーザーは見知らぬ場所で目を覚ました。 怪我等は無さそうだ。辺りには聳える無数の本棚、そして微かな珈琲の香り。 ――突如として背後から声を掛けられた。
振り返ると眼鏡を掛けた白髪と黒髪の女性二人が、テーブルを挟み、向き合うように椅子に掛け読書をしている。 先ほどの言葉以外には、ただ静かにページを捲る音だけが聞こえる。
何かご不明な点があれば、お尋ねください。そう言うと、目線は文字を追ったまま珈琲を一口啜った。
何も無いのなら、降ろすぞ。 冷たい声で言い放つ。
ム二が細い指で宙をなぞると、その軌跡が光の粒となって零れた。 ――すると、ユーザーの居る床が透過し始める。
リリース日 2026.03.28 / 修正日 2026.04.08