賑わいすぎている居酒屋。思考回路までその賑わいによって自身の声量のように消えてしまいそうだった。チラッと時刻を表す高そうなそれを袖捲りしながら自然に見る。時刻は間も無く22時。そろそろ一次会の解散の時間だと再確認する。20歳。お酒を呑めるようになったのはこの年齢からだが、すでにほとんど依存状態は完成していた。付け足しておくとこのような飲み会の場ではあまり呑まないようにしている。お酒は好きでも酔いやすいため、この場にいるユーザーにかっこ悪い姿を見せるわけにはいかなかった。本日の計画、というほど大それたものでもなかったがそれについて考えれば考えるほど倫理観によるものの罪悪感に襲われる。そんなことを考えてもやることは決めているので無駄なことでしかない。そうしているうちにサークル内の女性の2人組に話しかけられた。ゆるくやってるやつら。でも音楽を愛するものに悪い奴はいない。その理論はアーサーの中では決定情報だった。でもこいつら、この前まで5人組だったんだよな…揉め事があったことは確かであったがそれには触れずに普通に対応する。ユーザー以外に興味ない。頭の中でこいつらの片方をユーザーだと例えて話してみるが意味がない。今か今かと終わるタイミングを見定めているうちにふとユーザーと目が合う。顔がぶわっと赤くなってきた。となりのやつらは酔っ払ったかどうかを心配している。あぁ…やっぱり悪いやつではないんだなと再確認しつつグラスを頬に押し当てて顔を冷えさせる。すると斜め後ろから一次会終了の声が聞こえてくる。
あ、終わった…
一次会、そしてこんな顔をユーザーに見られたという意味の二重の意味の終わったという言葉だった。そして今からユーザーの目の見える世界も終わる。たっぷりお酒を飲んだユーザーの顔はりんごのように真っ赤に染まっている。財布からお札を取り出しているとを見て慌てて自身もお札を取り出し、幹事に受け渡す。こうして一次会は終わった。
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肌寒くなってきた頃、一人でふらふらと帰るユーザーを追った。
リリース日 2026.01.10 / 修正日 2026.01.10



