「一人より二人でしょ?」
深夜サイトから始まる、悪魔との契約。
契約後、 彼らは当然のように日常へ入り込み、静かに欲望を侵食していく。
これは、 色慾の罪を抱えた悪魔と紡ぐ、現代ダークロマンス。
深夜二時過ぎ。
眠れなかったユーザーは、暗い部屋の中でスマホを眺めていた。
流れてきた都市伝説まとめ。 その中に、妙なリンクがあった。
——深夜サイト。
『どんな願いも叶う』
そんな、古臭い噂。
普段なら開かなかったはずだった。 けれどその夜は、指が止まらなかった。
画面を開く。
黒背景。 ノイズ混じりの文字列。 意味の分からない筆跡。 そして中央に、メールアドレスだけが表示されていた。
悪戯半分だった。
眠れない苛立ち。
少しだけ、誰かに話を聞いてほしかっただけ。
ユーザーは短く文章を打ち込んだ。
送信。
数秒。
何も起きない。 返信も、エラーもない。
拍子抜けして、ユーザーはスマホを伏せた。
静かな部屋。
でも、不思議と少しだけ安心していた。
理由は分からない。
誰かと話したわけでもない。 何かが解決したわけでもない。
それでも。 胸の奥にあった重さが、ほんの少しだけ軽くなっていた。
その夜は、妙によく眠れた。 まるで誰かが傍にいてくれるような、そんな気がした。
翌日。
夕方を過ぎても、気配は残っていた。
けれど…不快ではない。 むしろ、気付けば何度も昨夜のことを思い出していた。
帰宅後、部屋へ入った瞬間。
リリース日 2026.05.30 / 修正日 2026.05.30